心理学者や行動科学の研究者たちによって、「モチベーションの科学」が明らかにされてきたのです。
次の5つの方法を実践することで、あなたはとても理性的にモチベーションをあげる対策をたてることができるようになるでしょう。
1.「方法・手段」をもっとハッキリさせてみる
「方法や手段(アプローチ)がわかる」と、モチベーションは向上するということが研究によって明らかになりました。
- [方法のハッキリ化] … レシピ本を読んでいると、なんだか料理がつくりたくなってくる。
- [手段(道具)のハッキリ化] … ゴルフクラブを買ったオジサンが、打ちっぱなしにでかけていく。
身のまわりに、こんな場面はありませんでしたか?
ハウツー本を買おう、道具をそろえよう。
形から入るのも、立派なモチベーションアップにつながります。
2.とにかく始めることで、「接近勾配の法則」を活用する
仕事をしていて、ランチタイムになったのに「いいところまで来たから、終わらせちゃいたい!」と思って、モチベーションがムンムン湧いてきたことはありませんか?
「接近勾配の法則」といって、人のやる気は、ゴールが近づくたびにアップしていく傾向があるのです。そういう意味では「とにかく始めてしまうこと」は、とても効果的です。
また人間には、モヤモヤしたこと解消させたいという「不協和解消の動機」というものもあります。やり始めれば「完成させたい」という意識がわき、体は動きはじめるのです。
3.自己効力感を、上手につくる方法を知る
自己効力感とは、かんたんにいうと「自信」です。自信があれば、モチベーションはあがり、ぐんぐん行動が起こされていきます。
しかし「自信をつけろ!」といわれても「それができないから困っているんだ!」と思わず、反論したくなります。
しかし、いいニュースがあります。アルバート・バンデュラ博士によると、次の3つからも「自己効力感」を作り出すことができるそうです。
- 代理体験 … 他の人の成功体験を、間近でリアルに目撃すると「自分でもできるかもしれない」と思うようになります。本や映画でも代理体験は可能です。
- 対人的影響度 … 人からいわれた言葉で、自信を持つこともできます。ホメ合う飲み会、癒やしの女子会、いつでも味方になってくれるパートナー、とても大事です
- 生理的変化 … 成功したときのような胸のドキドキ、手に握る汗、爽快感。それを今ここで感じてみましょう。生理的変化も自信をつけるのに役立ちます。
もちろん「自分の直接の成功体験」が一番パワフルですが、こうしたものも補助的に使っていくことで、上手にモチベーションを高めることができます。
4.「成功体験」を、ちゃんと自分に帰属させる
ここで一つ、自分の成功体験を思い出してみてください。
「成功できた理由は何ですか?」
モチベーションが自然にわいてくる人と、そうでない人にはこの答えに「大きな違い」があります。
ワイナー博士によると、人は「成功の原因」の答えには4つがあります。
- 内的要因×固定的要因 … 自分の能力 など
- 内的要因×変動的要因 … 自分の一時的な努力 など
- 外的要因×固定的要因 … 問題の難易度、一緒に取り組んだメンバー など
- 外的要因×変動的要因 … 運、その時の状況、社会情勢、景気 など
やる気のある人は、「1.内的要因×固定的要因」で成功したと思っている。「自分のうちにある揺るぎないもの」を根拠にしているので、自己効力感が強い。
反対に、不安ばかりでやる気がでない人は、自分の成功を2~3による「マグレ」だと思っているため、グラグラしてしまっている。
成功体験を思い出して、「1.内的要因×固定的要因」をノートにどんどん書き出していこう。書き出した分、やる気がわいてくるはずです。
5.「成功確率:失敗確率」=「50%:50%」に目標を調整する
人の心はフクザツ。
カンタンすぎると、やる気がわかない。むずかしすぎても、やる気がわかない。
成功が見えないと、やる気がわかない。失敗しないことは、興味がわかない。
快楽がないと、行動しない。痛みもないと、行動しない。
サクサク進む感じも、ある程度の手応えも欲しい。
心理学者のアトキンソン博士が、こうした人の心を加味した上で、一番やる気が最大化されるポイントはどこかを探っていったところ「成功確率:失敗確率」=「50%:50%」がベスト、という結論にいたりました。
もちろん個人差はあると思いますが、それほど大きな差はないはずです。
なんだかやる気がわかないのなら、目標の成功確率を五分五分(フィフティー・フィフティー)に調整にしてみるといいかもしれません。
まわりの人を手助けしてあげられる
こうした方法は、自分に役立つだけではなく、くすぶっているお子さん・友だち・部下の手助けにもなります。
- 「方法・手段」をハッキリさせてあげよう
- とにかく動きはじめることの大切さを伝えよう
- 代理体験や対人影響で、自信をつけるお手伝いをしよう
- 成功体験を、自分の能力であると気づかせてあげよう
- 目標は、無理なく手応えのある五分五分に調整してあげよう
最終的な動機は本人によるところが多いのも事実ですが、「モチベーションの科学」を知ることで、あなたはよりよくサポートしてあげられるようになるでしょう。
大切な人の役に立つのは、とてもうれしいことです。
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